MA memo

日々の記憶を忘れないうちに。

遠い記憶

昔、空知にあった母の実家で毎年暮れに近所の若い衆の手助けで杵と臼で餅をついていた。つきたての餅はそのまま食べると熱くて甘くて、ふはふはいって当たり前にほおばっていた。

 

ああいう餅にその後会ったことがない。子供の幼稚園の行事では大理石の臼。でもそれは水分を吸収しはしないし、同じ臼とは言っても出来上がったお餅は似て非なるものだった。

 

そういう餅と同じような失われてしまった地味なものは数知れない。

 

地味かつ滋味に富んだモノ達を維持することって、とても難しい。

せめて自分の中にこそ、そういうものを持ち続けたいけど、

そういうのが真の余裕ってやつだな。