仕方のない追憶
40年前の恋みたいなもの..
男の子は頭でっかちで自信の無さを抽象的な観念を得意になって駆使する事で煙に巻いたつもりで、こちらの表情を窺っている。
こちらは生身の愛が欲しいのだ。村上春樹の主人公の男の子達、クールで女の子の心理をよく知っていて、性的にも優位に立って物事を超越したように見える彼等..
あれは村上氏の願望というか或る意味理想像なのかも知れない。
10代から20代の男はもっと不器用だし。それでいいのだと思う。
あの頃の彼は私の漠然とした欲望には、応えてくれる度量と深さはなかったけれど、
今はどうしているだろう。得意げに若い女の子を口説いているのだろうか。
そういうタイプのおじさまには、たぶん、なってはいないと思う。