禁断の昼ビールと見果てぬ夢
暑い!のでエビスの青いやつ。
昼間のビールってどうしてこんなに美味しいのだろう。
でもお酒にはとても弱いので一缶だけ。
久し振りに数学の本をぱらぱら眺めていた。
Springer のLecture Notes in Mathematics 114 H.Jacquet ・R.P.Langlands
Automorphic Forms on GL(2) だ。
ラングランツの壮大なプログラムの端緒となった1969年の講義録。
GL(2) 正確には GL(2,X) は、要は2×2行列の群。
Xの所は有限体のFだったり、実数体 R、複素数体 Cが入る。
この頃の本はタイプで打ってあって、添え字とかギリシャ文字は手書き。
今みたいにLaTeX なんてソフトがなかったから、レトロな感じで
逆に講義中の板書みたいで和む。
Haar測度上の解析学を駆使してL 函数とかHecke の保形形式の深い性質を
解説してゆくものだ。
ドイツ語を知ってる人ならHaarって髪の毛の事だから何となく可笑しいよね。
Haar測度って、高校の時に習う馴染みやすい積分じゃなくって、群上の抽象的な積分だけど、そこまでたどりつくには、普通人には膨大な勉強が必要だった。
Tamagawa Number とか60年代の日本人数学者達の先駆的研究の解説も出てくるし
代数・解析・整数論が交錯する個人的には数学の醍醐味があふれ出てくる分野だ。
これにp進体上のコホモロジー論とか、代数幾何学の理論が相まって、
恐ろしくも豊かで美しい現代の数論幾何に発展してきているのです。
ちなみに高校生がこんなblogを読むはずがないけど、
数学得意だからって間違っても数学科志望なんて思わないこと。
普通のイメージとは全く別物だからね。
高校数学まではだいたいニュートン(17世紀)までの数学。
それから400年も経ってるんだし。
自分の頃だって同級生の3分の2の人は悔いてたもの。
なんでこんなとこに来ちまったんだろうってさ。
そういうこと!
まあわたしも途中で脱落したので今がある訳で、
アマチュアとして時々昔の本を引っ張り出しては眺めてるのです。
仕事にしなくてよかった、半分負け惜しみだけどね。
酔っ払ったよ。